皆様こんにちはDiGです。
本日は久しぶりにAdobe Illustrator (イラストレーター)用スクリプトを制作してみました。
▼このスクリプトはこんな方におすすめです
- イラストレーターから画像書き出しを頻繁に行う方
- 画像書き出しの際にサイズが変わってしまうことにお困りの方
- 画像書き出しの際に、切りのいい数字で書き出したい方
以前、ストックイラスト向けに
をアップさせていただきました。
これは解像度300dpi固定の書き出し用スクリプトでしたが、今回そちらを少し変更して、画像の書き出しに特化しつつ、解像度・書き出しサイズを自由に設定できるようにしました。
▼特徴
- 解像度・書き出しサイズを自由に設定できます。
- JPEG,PNGの書き出しに対応
- 書き出し画像の単位は、pixel,mm,inchから選択可能
こんな時の利用におすすめです
イラストレーターで制作したイラストを、JPEGやPNGなどの画像として書き出したい場合があるかと思います。
その場合、通常はこのようにイラストレーターの[書き出し]コマンドを使用するかと思います。
この際、解像度を72dpi以外に設定すると、書き出された画像のサイズが以下のように、イラストレーター上のサイズと大きく変わってしまいます。
これは、Illustrator上の寸法表示が解像度72dpiベースのためです。
(というかベクターデータ用のツールのため、解像度という概念が本来ないのです)
画像サイズを気にしない場合はこれで良いのですが、例えば入稿サイズ指定などがあったり、半端な画像サイズが気になる場合などは、Photoshop等で書き出した画像を開いてサイズ調整する必要などが出てきてしまいます。
今回公開したスクリプトを使うと、そういった調整をする必要がなくイラストレーター上の指定でお好みのサイズ・解像度での書き出しが可能となります。
スクリプトの導入方法
▼必要なもの
- Adobe Illustrator (イラストレーター)
- anysize_export.jsx (このページでダウンロードできます)
まず、当ページから、「anysize_export.jsx」というスクリプトファイルをダウンロードして下さい(このページ下部にダウンロードボタンがあります)。
ダウンロードしたファイルをお使いのillustratorのスクリプトフォルダに入れて下さい。
※フォルダの場所がわからない方は、↓過去の投稿にて導入方法を詳しく解説していますので、そちらを参照してください。
イラストレーターをすでに起動中の場合は、そのままではスクリプトが認識されないので、一度イラストレーターを終了して、再起動してください。
スクリプトの使い方(事前準備)
では実際の使用について解説していきます。
▼手順
1 まずイラストレーターにて、書き出したいファイルを開きます。
2 書き出したいコンテンツはあらかじめ必ずグループ化しておきます。
3 書き出したいコンテンツ部分を選択します。
4 [ファイル] > [スクリプト] > anysize_export を選択します。(ダイアログが起動します)
スクリプトの使い方(ダイアログ解説)
次にダイアログの各設定項目を解説します。
1 ファイル形式
書き出せるファイル形式は、JPEG, PNG の2種類となります。どちらかを選択して下さい。
通常のイラストレーターでの書き出しと同様、JPEGは背景ホワイト、PNGは背景透過となります。
2 書き出しファイル名
書き出したいファイル名を入力して下さい。
既に一度保存されているファイルは、そのファイル名がデフォルトになります。
未保存の場合は空欄になっているので、ファイル名を入力して下さい。
一般的なファイル保存と同様、ファイル名として使えない文字(ご使用のOSにより異なります) を使用するとエラーになります。
3 書き出しサイズ
書き出す画像のサイズを設定します。
まず、選択したコンテンツの縦と横どちらを基準にするかを決定し、サイズを数値で設定します。
書き出しサイズの単位は、pixel , mm, inch の3種から選択できます。
コンテンツの縦横比は維持したまま、リサイズされます。
(例えば、縦100x横50pixelの画像を、縦300pixelで書き出した場合、横は150pixelとなります)
4 解像度
書き出したい画像の解像度を指定します。
一般的な解像度範囲として、 72~500dpiまでの設定が可能です。
5 保存フォルダ
書き出し先フォルダをここで選択して下さい。
一度保存済のファイルは、デフォルトで同じ場所が指定されています。
未保存のファイルは、Illustrator本体の場所がデフォルトになっているので、変更して下さい(そのまま書き出すとエラーになります)。
実際に書き出してみましょう
ダイアログの入力が完了したら「実行する」をクリックして書き出しを実行します。
今回は縦3000pixel、解像度300dpiのJPEG画像を書き出してみます。
書き出し完了のアラートが表示されたら無事終了です。
このように書き出しが完了し、画像ファイルが生成されました。
では書き出されたファイルをPhotoshopで開いて確認してみましょう。
このように縦3000pixel・解像度300dpiで書き出すことができました。
ダウンロードはこちら
Download
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2021.03 Mac対応版リリースしました
2020.06 Illustrator 2020 に対応いたしました
ダウンロードされる前に以下のご注意事項をお読みください。
▼サポート環境
・制作環境 Windows10/Illustrator CC 17.1 , MacOS Big Sur 11.0.1/Illustrator 2021 25.0.1
・動作保障 Windows10/Illustrator CC 17.1〜 , MacOS Big Sur/Illustrator 2021
※他の環境で問題なく動作した方はご連絡頂けると大変有難いです。
▼ご使用の際の注意点
・デザインの外側に線が設定されている場合、書き出しサイズには、線の太さが含まれません。正確なサイズで書き出すためには、あらかじめパスをアウトライン化して下さい。
・書き出し単位をmmに設定した場合、pixelとmmの換算仕様上、1mm以下の範囲でサイズ誤差が生じる可能性があります。
・書き出し先に既に同名のファイルがある場合、上書きはされません(別ファイル名になります)。
・JPEGの書き出し画質は「最高画質」での書き出しになります。
・JPEG書き出しの過程でアクションファイル (_Action.aia)が自動生成されます。書き出し完了後に自動削除されますが、何らかのエラー等で途中で処理が止まった場合、アクションファイルが残ってしまう場合があります。その場合お手数ですが、手動で削除して下さい。
・スクリプト経由でファイルを開く際、単位がイラストレーターのデフォルト単位である「ポイント」になります。書き出した画像には影響ありませんが、次にイラストレーターで新規ファイルを開く際、単位がポイントになっている場合があるので、手動でご希望の単位に変更して下さい。
また同様に「新規オブジェクトをピクセルグリッドに整合」という項目にもチェックが入るので、こちらもお好みで変更してください。
念のため、スクリプト実行前にはファイルを必ず保存しておきましょう。
▼カスタム希望のお客様
当スクリプトをお客様のご利用環境に合わせ、より使いやすいようにカスタマイズすることが可能です。
一例として以下のような項目の追加変更が可能です。
- ダイアログ初期値 (ファイル形式,サイズ,解像度 etc..) の変更
- 書き出し先フォルダの初期設定変更
- 書き出しファイル形式の追加 etc.
その他お気軽にご相談ください。
イラストレータースクリプトの仕様上、実装不可能なことも多々あるので、ご希望に添えない場合もあります。
▼免責事項等
・スクリプトファイルの無断転載・二次配布は禁止行為に当たりますのでご遠慮ください。
・スクリプトの使用は自己責任でお願いいたします。不具合やファイル破損等が発生した場合の責任は負いかねますので、ご了承下さい。
・エラーが発生する、または正常に動作しない場合にはお手数ですがご連絡下さい。
その際、
- エラー症状
- エラーメッセージ (表示される場合)
- OS
- Illustratorのバージョン
などを(わかる範囲で)教えて頂けると大変有難いです。
可能な範囲で対応させていただきます。
なお、実際にスクリプトを作ってみたいという方もいらっしゃるかと思います。
当ブログでもスクリプトの制作について役立つ情報をお届けしておりますので、参考にしてみてください。
▼数少ないイラレスクリプトについての書籍。私はこちらが一番役立ちました。
ではでは。
お時間ありましたら、他の記事も読んでみて頂けると嬉しいです。