皆様こんにちはDiGです。
本日は、Adobe Illustrator (イラストレーター)向けスクリプトを新しく公開いたします。
ストックイラスト製作者様向けの高解像度自動ファイル書き出しツールになります。
▼特徴
- 解像度300dpiで、JPEG,PNG,EPSでの書き出しが可能です。
- 希望のサイズ (単位もPixel,mm,inchから選択可能) を指定して書き出すことができます。
- 書き出すファイルには、ご希望のサイズの余白を指定することができます。
- ファイル名を自動で連番で書き出します。
※画像の書き出しに特化して解像度・画像サイズを自由に設定して書き出せるスクリプトもあります。
▼こんな時の利用におすすめです
ストックイラストに作品を登録する際、同じジャンルのイラストをセットにして登録することが結構ありますよね (例えば、アイコンのセット、人物イラストのバリエーションセットetc..)
そして、そのセットイラストを今度はバラで登録したいということがあると思います。
やはり、ストックイラストは作品数を増やすことが重要ですからね、バラの需要も少なからずありますし。
そういった場合に、一つ一つコピペして書き出して。。という作業は非常に面倒で時間がかかりますよね。
そんな時に、自動で書き出してくれるのがこのツールになります。
書き出しツールの導入
▼必要なもの
- Adobe Illustrator (イラストレーター)
- 300dpi_file_export.jsx (このページでダウンロードできます)
まずこのページ下部より、「300dpi_file_export.jsx」というファイルをダウンロードして、illustratorのスクリプトフォルダに入れて下さい。
フォルダの場所がわからない方は、↓前回の投稿にて導入方法を詳しく解説していますので、そちらを参照してください。
書き出しツールの使い方(準備)
まず、書き出したい元ファイルを開きます。
書き出しは、グループ化されたコンテンツをそれぞれ1ファイルとして書き出しします。
ですので、書き出したいコンテンツごとに予めグループ化しておきます。
ちなみに、書き出したいデザインはアートボード外に配置されていても問題はありません。
グループ化が完了したら、書き出したいコンテンツを選択状態にして下さい。
書き出しが実行されるのは、選択したコンテンツのみになります。
選択したら、
を選択して、スクリプトを実行します。
スクリプトを実行すると、ダイアログが開きます。
書き出しツールの使い方(ダイアログ解説)
ダイアログの各設定項目を解説します。
1 ファイル名パターン
書き出すファイル名は、接頭字に入力した文字 + 数字になります。
例えば、接頭字に「a_」と入力してJPEGで書き出す場合、ファイル名は
a_1.jpg , a_2.jpg , a_3.jpg …..となります。
また数字の項目で、始まりの数字を指定することができます。
例えば、ここに6と入力した場合、6.jpg , 7.jpg , 8.jpg … という風に連番になります。
ファイル名として使えない文字(ご使用のOSにより異なります) を使用するとエラーになります。
2 ファイル形式
書き出せるファイル形式は、JPEG, PNG, EPS の3種類となります。
書き出したいファイル形式を選択して下さい。
それぞれの書き出し形式ごとに、ストックイラストに適した書き出しサイズ初期値が設定されていますので、こちらを変更すると、3のコンテンツサイズの値が自動で変わります。
またEPSファイルは、Shutterstockへの登録に最適化した仕様に設定されています。
3 コンテンツサイズ
書き出すデザインのサイズを設定します。
まず、デザインの縦と横どちらを基準にリサイズするかを決定し、サイズを数値で設定します。書き出しサイズの単位は、Pixel , mm, inch の3種から選択できます。
コンテンツの縦横比は維持したまま、リサイズされます。
▼コンテンツサイズの項目を一部仕様変更した別バージョンもあります。
4 保存時余白
ストックイラストサイト上での見栄えを良くするために、周囲に余白がある状態で書き出すことができます。
上下左右共通の値になります。単位は3のコンテンツサイズと連動しています。
5 保存フォルダ
書き出し先フォルダをここで選択して下さい。
一度保存済のファイルは、デフォルトで同じ場所が指定されています。
未保存のファイルは、Illustrator本体の場所がデフォルトになっているので、変更して下さい(そのまま書き出すとエラーになります)。
実際に書き出してみましょう
「実行する」をクリックすると、書き出し処理が開始されます。
今回は縦4800pixel+余白200pixelの5000pixelのJPEGを書き出してみます。
連続で書き出しを行うため、Illustratorがビジー状態になりますので、完了までしばらく待ちましょう。
書き出し完了のアラートが表示されたら無事終了です。
では書き出されたファイルをPhotoshopで開いて確認してみましょう。
このように解像度300dpiの指定サイズで書き出すことができました。
解像度300dpiで書き出せるillustratorスクリプトは、あまり出回っていないと思います。
何故ならIllustratorスクリプトに予め用意されているメソッドでは、解像度の設定が難しいからです(特にJPEG)。
ストックイラストは、やはり高解像度での登録が望ましいので、ここら辺はこだわって作ってみました。
以下からダウンロードできます。
Download
2020.04 PNG画像書き出しの際に、解像度が72dpiになる不具合を修正しました
ダウンロードされる前に以下のご注意事項をお読みください。
▼サポート環境
・制作環境 Windows10 / Illustrator CC 17.1
・動作保障 Windows10 / Illustrator CC 17.1 ~
※他の環境で問題なく動作した方はご連絡頂けると大変有難いです。
▼ご使用の際の注意点
・書き出される順番は、元ファイルの重ね順に依存します。書き出し順を調整したい場合は、重ね順を調整して下さい。
・書き出し単位をmmに設定した場合、pixelとmmの換算仕様上、1mm以下の範囲でサイズ誤差が生じる可能性があります。
・書き出し先のフォルダに既に同名のファイルがある場合、上書きはされません(別ファイル名になります)。
・デザインの外側に線が設定されている場合、書き出しサイズには、線の太さが含まれません。正確なサイズで書き出すためには、あらかじめパスをアウトライン化して下さい。
・JPEGの書き出し画質は「最高画質」での書き出しになります。
・書き出しの過程でアクションファイル (_Action.aia)が自動生成されます。書き出し完了後に自動削除されますが、何らかのエラー等で途中で処理が止まった場合、アクションファイルが残ってしまう場合があります。その場合お手数ですが、手動で削除して下さい。
・書き出し処理時にはIllustratorがビジー状態となります。自分の環境では、illustratorが落ちたことは一度もないですが、PCのスペックが低い等でIllustratorが落ちる場合には、一度に書き出すファイル数を減らしてください。
・スクリプト経由でファイルを開く際、単位がイラストレーターのデフォルト単位である「ポイント」になります。書き出した画像には影響ありませんが、次にイラストレーターで新規ファイルを開く際、単位がポイントになっている場合があるので、手動でご希望の単位に変更して下さい。
また同様に「新規オブジェクトをピクセルグリッドに整合」という項目にもチェックが入るので、こちらもお好みで変更してください。
また念のため、スクリプト実行前にはファイルを必ず保存しておきましょう。
▼カスタム希望のお客様
当スクリプトをお客様のご利用環境向けにカスタマイズいたします。
一例として以下のような項目の追加変更が可能です。
- ダイアログ初期値 (ファイルサイズ,接頭辞,番号,余白 etc..) の変更
- 書き出し先フォルダの初期設定変更
- 解像度(300dpi)の設定変更
- 書き出しファイル形式の追加 (※形式によっては対応できない場合もあります)
その他お気軽にご相談ください。
▼免責事項等
・スクリプトファイルの無断転載・二次配布は禁止行為に当たりますのでご遠慮ください。
・スクリプトの使用は自己責任でお願いいたします。不具合やファイル破損等が発生した場合の責任は負いかねますので、ご了承下さい。
・エラーが発生する、または正常に動作しない場合にはお手数ですがご連絡下さい。
その際、
- エラー症状
- エラーメッセージ (表示される場合)
- OS
- Illustratorのバージョン
などを(わかる範囲で)教えて頂けると大変有難いです。
なお、実際にスクリプトを作ってみたいという方もいらっしゃるかと思います。
当ブログでもスクリプトの制作について役立つ情報をお届けしておりますので、参考にしてみてください。
▼数少ないイラレスクリプトについての書籍。私はこちらが一番役立ちました。
ではでは。