こんにちはDiGです。
本日は、フリーランス・個人事業主として新たにスタートする方向けに「開業届」の記入方法を徹底解説していきたいと思います。
▼目次
開業届とは?
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」。
新たに個人事業を開業したことを、税務署に申告するための書類です。
フリーランス・個人事業主は、会社員のように自動で税金が差し引かれませんので、所得を自分で申告し所得税を納税する義務があります。
これから「個人事業主として納税をします」ということを税務署に連絡するための通知が開業届ということになります。
開業届の提出期限は、事業の開始日から1ヶ月以内が推奨されています。
提出先は、事業を行う所在地の最寄りの税務署に持参もしくは郵送で提出します。
またe-Taxを利用して電子申請も可能となっています。
また開業届を提出する際には、「所得税の青色申告承認申請書」も一緒に提出します。
これは確定申告を青色申告で行いますという申請書となります。
正式な簿記の原則に従った帳簿作成が義務付けられている申告方式。
白色申告と比較して複雑な帳簿作成が求められ、確定申告の際の提出書類も多くなるが、その分控除額のメリットがある。
青色申告で大丈夫か不安な方青色申告は一見難しそうですが、最近はクラウドの便利な会計ソフトがあるので、簿記の詳しい知識がなくても問題ありません。
クラウド会計ソフトFreeeは、確定申告の書類作成も簡単なので特におすすめです。
私も開業時から愛用しています。
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青色申告は白色申告と比べて、圧倒的に所得税の控除額が大きいので、何か特別な理由がない限りは青色申告を選択するべきです。
この申請書を提出しないと、確定申告の際に青色申告が認められませんので注意してください。
開業届と青色申告承認申請書のダウンロード
開業届と青色申告承認申請書は、↓国税庁のホームページからダウンロードすることができます。
– 個人事業の開業届出・廃業届出等手続
– 所得税の青色申告承認申請手続
↓こちらが実際の開業届と青色申告承認申請書です。
記入項目欄がたくさんありますが、普通に事業を開始する場合には、全ての記入項目を記入する必要はありません。
ここから順に解説していきます。
とにかく簡単に早く開業届を作成したい!開業届や青色申告承認申請書の作成に時間を取られたくない方には、開業freeeの利用がおすすめです。
開業freeeを使えば、記入に迷いがちな職業欄等もあらかじめ選択項目が用意されているので、開業届と青色申告承認申請書を5分で作成可能です。
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開業届の記入方法 Part 1
こちらは開業届の前半部分の記入箇所になります。
開業届と廃業届は共通のフォーマットとなっているので、「開業」の方に丸をつけてください。
今後の確定申告書類の提出先となる税務署名を記入します。
基本的には家または事務所の最寄りの税務署を記入すれば問題ありません。
合わせて開業届の提出日を記入します。
在宅フリーランスなど自宅を仕事場とする場合には、「住所地」に丸をつけて、自宅住所を記入します。
事務所や店舗があり納税地をそちらにしたい場合は、「事業所等」に丸をつけて、所在地を記入します。
合わせて電話番号を記載します。携帯電話の番号でも問題ありません。
事務所・店舗はあるが、納税地は自宅にしたい場合納税地に自宅住所を記入し、下の「上記以外の住所地・事業所等」に事業所所在地を記入します。
開業する本人の氏名・フリガナ・生年月日と、マイナンバーを記入し、捺印します。
捺印は個人印でも問題ありませんし、屋号印がある場合はそちらでも大丈夫です。
一番注意が必要なのは、この「職業欄」です。
書き方に決まった形式があるわけではなく、後半部分に「事業の概要」記入欄もあるので、大まかな事業内容で問題ありません。
なんと書けば良いか迷った場合には、総務省のホームページに日本標準職業分類があるので、そちらを参考にするのもアリかと思います。
複数の業種を兼ねている場合には、一番収入が多くなる(予定の)業種を書いておけば問題ありません。
また使いたい屋号がある場合には、屋号欄に屋号を記入してください。
事業税の発生する職業に注意ここで気をつけなくてはいけないのは、記載した事業内容により「事業税」が発生する場合があるということです。
事業税は、年間290万円以上の所得がある、特定業種の事業者に発生する税金です。
– 個人事業税 / 東京都主税局
例えば、「デザイン業」には5%の事業税が発生しますが、「システム開発業」には(今のところ)事業税が発生しません(※東京都の場合)。
WEBデザイナーなど、デザインとシステム開発を兼ねている場合には書き方に注意することで、事業税を回避できる可能性があります。
但し明らかにデザインが収入の主である場合には、調べられて指摘を受けてしまう場合もありますので、注意が必要です。
屋号とは?法人でいうところの会社名に相当するのが屋号です。
屋号は必ずしも必要ではありませんが、個人名で活動することに抵抗がある場合や、振り込み口座を個人名以外にしたい場合には、屋号をつけましょう。
但し「屋号のみ」の口座が作れる銀行は比較的少ないので、口座を開く予定の銀行に事前に問い合わせてください(「屋号+個人名」となってしまう銀行の方が多いです)。
開業届の記入方法 Part 2
次に後半部分の記入方法を解説していきます。
赤い部分は必須項目で、緑の部分は従業員を雇う場合に入力が必要となる項目です。
「開業」に丸をつけてください。
住所・氏名欄は事業を引き継いだ場合以外記入の必要はありません。
「事業所得」にチェックを入れてください。
不動産や山林による所得の場合には、該当の箇所にチェックを入れてください。
開業日を記入します。
開業日は自分で決めた開業日でも開業届提出日でも大丈夫ですが、開業届は原則開業日から一ヶ月以内の提出が推奨されているので、開業日を自分で決める際にはその点に注意してください。
「青色申告承認申請書」を一緒に提出する場合は、「有」に丸をつけます。
消費税課税事業者選択届出書は、消費税の免税事業者が「あえて」課税事業者になるために提出する申請書類です。
今はまだ「無」でOKかと思います(2023年にインボイス制度が始まったら提出しないといけなくなるかもしれません)
⑤で記入した職業欄の事業内容を、より詳しく記載する欄になります。
特に決まった書き方は有りませんが、第3者が見ても業務内容を理解できるような書き方が望ましいです。
記入例)
- WEBデザイナー → 「WEBサイトの設計・デザイン・コーディング」
- ストックイラスト → 「イラストの制作・販売」
- DTPデザイナー → 「広告・パンフレット等のデザイン」
- システムエンジニア → 「WEBシステムの開発」「スマホアプリの開発」 etc.
必須の記入欄は以上になります。
但し従業員を雇う場合や、身内を専従者として雇う場合には、11番以降も記載の必要があります。
従業員(使用人)と専従者の人数と、給与形態(月給、日給 etc.)、税額の有無を記載します。
税額の有無は、源泉徴収を行う必要があるので「有」にします。
源泉所得税の納期を年2回にしたい場合には、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出する必要が有ります。
これを提出する場合には「有」に丸をつけます。
従業員に給与を支払う開始予定日または、すでに支払い開始済の場合はその年月日を記入します。
これで開業届の記入はバッチリOKです。
次に青色申告承認申請書の記入方法も解説していきます。
青色申告承認申請書の記入方法
青色申告承認申請書の前半部分は、マイナンバーの記入以外、開業届と共通となっていますので、開業届の記入方法Part1を参考にしてください。
↓こちらが青色申告承認申請書の後半部分になります。
青色申告を開始したい年度を和暦で記入します。
ほとんどの人が開業年度から青色申告を行うと思いますので、本年度を記入しておけば大丈夫です。
支店など事業所が複数ある場合には、こちらに記入します。
自宅を納税地とする場合や事業所が一つの場合には空欄で大丈夫です。
開業届の⑦と同じ所得種類に丸をつけます。
一般的な開業であれば「事業所得」に丸をつけてください。
過去に青色申告の取り消し等を受けたことがある人以外は「無」に丸をつけてください。
この申請書を提出する年の1月16日以降に新規開業する場合には、開業日を記入します。すでに開業済の場合は、空欄でも大丈夫です。
1月16日以降ってどういうこと?なんで1月16日で区切られているのか不思議ですよね。
開業年度から青色申告を行いたい場合、青色申告承認申請書には開業後2ヶ月以内という提出期限があります。
新年度(1月1日〜1月15日)と同時に開業したい場合は、3月15日が提出期限となります。
1月16日以降に開業した場合には、事業開始日からきっかり2か月以内が提出期限となります。
新年度は、お正月休みもあり一定期間の猶予が与えられていて、そこで区分がされているというわけです。
事業を相続した場合には、「有」を選択し必要事項を記入します。それ以外は「無」に丸をつけてください。
青色申告の最大控除額(65万円)を受けるためには、「複式簿記」を選択してください。
青色申告の最大控除額(65万円)を受ける場合、「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」「預金出納帳」「総勘定元帳」「仕訳帳」に丸をしておけばOKです。
これで青色申告承認申請書も完成ですので、後は税務署に提出するだけです。
ただいくつか気をつけて欲しいポイントがあります。
気をつけたい注意ポイント
1提出期限に注意
開業届の提出には開業日から一ヶ月以内が推奨されていますが、特に罰則等はありません。
ですが、青色申告承認申請書には事業開始日から2ヶ月以内という提出期限があります。
間に合わなかった場合、その年度は青色申告事業者として承認されず、白色申告事業者として事業を行わなければなりません。
特に開業日を開業届提出日より前に設定したい場合には注意が必要です。
2マイナンバーカードの持参を忘れずに
税務署に提出の際には、該当書類の他にマイナンバーカードが必要になります。
マイナンバーカードを持っていない場合には、通知カードと身分証明書を合わせて持参します(郵送の場合はコピーを同封)
マイナンバーカードは、確定申告をe-taxで行う際にも必要なので、作成しておくことをお勧めします。
3記入方法に迷った場合
このページでもかなり詳しく解説いたしましたが、それでも記入内容に不安な箇所が出てくるかもしれません。
その場合適当に記入することはせず、わからない箇所は空欄のまま税務署に持っていって、担当の方に教えていただきながら書くのもありだと思います。
5分で作成できる開業freeeを活用開業freeeを使えば、開業届と青色申告承認申請書を5分で作成可能です。
記入に迷いがちな職業欄や事業概要欄もあらかじめ選択項目が用意されているので簡単安心です。
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4必ず控えも持参してハンコをもらう
開業届と青色申告承認申請書はダウンロードすると、提出用と控えが2部ずつありますが、控えにも必ず同じ内容を記載してください。
そして税務署に提出する際に、控えも持参し、税務署の印鑑を必ず押してもらってください。
郵送の場合は返信用封筒と同梱して発送することで、後日印鑑を押した控えを返送してもらえます。
まだ確定申告を一度も行っていない段階では、開業届の控えが個人事業の実態を証明する唯一の書類となります。
例えば屋号つきの銀行口座を開設する場合など、控えの提出を求められる場合が結構ありますので、大切に保管しておいてください。
5これからフリーランスとして始める方へ
私DiGはフリーランスとして今年で6年目になります。
当初はわからないことだらけで、手探りで色々と回り道や失敗もしてきましたし、正直後悔していることもたくさんあります。
これからフリーランスとして新たな道を踏み出す皆様には、私のような回り道をすることなく最短距離を突き進んでいって欲しいと思います。
↑こちらの「フリーランス完全マニュアル」という記事に、失敗しないフリーランスになるための全てまとめました。
特に私のようなデザイン系・エンジニア系の方には役に立つ内容となっていると思いますので、読んでみていただけると嬉しいです。
まとめ
以上本日は、開業届と青色申告承認申請書の記入方法を徹底解説してみました。
お役に立てば幸いです。
また次の記事でお会いしましょう。
ではでは。
お時間ありましたら、他の記事も読んでみて頂けると嬉しいです。